高齢の患者には薬を処方しすぎないよう心がける

高齢の患者には薬を処方しすぎないよう心がける

2026.07.10

看取り覚悟で服用中止後に予想外の「焼肉欲」

 高脂血症・便秘・睡眠障害などで15-17種類の薬剤を処方されていた超高齢者が、フレイルの進行で食事が摂れなくなり、薬の服用も困難に。家族と相談の上で服用を中止し、葬儀社の選定も勧めていたほどだったにもかかわらず、バイタルサインは日毎に安定。嚥下機能も回復傾向で食事も摂取できるようになり、1カ月後には「焼肉食べたい!」との冗談を言われるほどに。たまには、こんなケースもあるようです。【小児科・内科】

多剤の弊害で認知症疑い、術後休薬で消失

 80歳の女性が腰部脊柱管狭窄症との診断で、かかりつけの開業医から神経痛やしびれに対する数種類の内服薬を出されていた。経時的に症状が増悪し、日常生活にも支障を生じてきたため手術を行うことに。それまで処方されていた内服薬のうち血圧や心臓に対する薬以外は、手術の効果を見るため術後はいったん中止して様子を見ることにした。すると、術前は認知症だろうと思っていたにもかかわらず、会話の様子から実際はそうではないと判明。薬の飲み過ぎで思考能力に悪影響が出ていただけで、認知症ではなかった。患者さんに尋ねると「術前はいつも頭に1枚の膜が張っているようで、ブワーンという音がしていた。術後に薬を飲まなくなってそれがなくなり、今はすっきりしている」とのこと。このようなポリファーマシーの悪影響と思われるケースを過去に数例経験している。【整形外科】